年頭挨拶
新年あけましておめでとうございます。いよいよ21世紀の幕開けの年であります。みなさま方それぞれに想いを新たにしておられることと存じます。
当院は、国立大学医学部の附属病院として、現在、きびしい改革、さらには革命を迫られております。とくに、安全管理と経営改善がその中心であることを改めて銘記してください。
当院では、すでに、「医療事故防止のための安全管理体制の確立について(中間報告)」(国立大学医学部附属病院長会議・作業部会)に沿って、安全管理のための組織機構、委員会規程と委員会、診療現場のマニュアル・指針が整備されており、さらに改定が進められています。問題は、これらのものが有効に機能しているか否かという点であります。すなわち、職員一人一人が自己の職務を誤りなく、能率的に遂行するためのそれぞれの意識改革、そして、安全管理への意識の高まりが求められているのであります。診療科・部、薬剤部、看護部、事務部等のそれぞれにおける安全意識の徹底にはなお温度差があります。みんなで心を一つにし、安全管理、事故防止に努めたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
さて、診療の現場で望ましい医療が展開されるためには、もっとも基本的なこととして、患者さんおよび家族のみなさんと医療提供者との間に好ましい人間関係が構築されなければなりません。患者さんと家族のみなさんは、いろいろな悩み、また期待をもって来院されます。とくに初診時には、むしろ不安が前面に出ていますから、はじめて接する職員の初対応はきわめて重要であります。患者さんの不安と心配を受け止めるためには、温かくやさしい思いやり、そして冷静にして的確な判断が求められます。患者さんと医療提供者とは、人間として同等の立場にあります。お互いによく話し合い、行き違いや誤解のないように努めなければなりません。望ましい人間関係、信頼関係の構築は、診療におけるトラブルの防止、また、生じたトラブルの解決に絶対的に影響します。安全管理のこころの部分であります。
2001年が、みなさんにとってすばらしい1年となりますよう祈念いたします。
(病院長 金澤浩二)
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