平成12年12月15日

     University Hospital University of the Ryukyus          

琉大病院 HOTLINE 第11号

琉球大学医学部附属病院の患者様・職員のための情報誌

琉球大学医学部附属病院の沖縄の保健・医療へのかかわりについて

 当院は国立琉球大学医学部の附属病院であり、その基本的使命・役割は、医育機関として、医療に携わる人材を育成することにあります。くわえて、当院が沖縄に設置されていることの意義、あるいは目的は、当然なことながら、沖縄の保健・医療に寄与することにあります。

 現在までに、保健学科学生約1,600名余、医学科学生約1,300名余が当院において卒前卒後臨床研修を積み、その50〜60%が沖縄の保健・医療の現場で活躍しています。

 当院は、国(厚生省)から特定機能病院として承認され、高度にして先進的医療を展開しています。平均外来受診者は約1,000名/日にのぼり、年間230,000名余の人々が受診しており、沖縄住民の5〜6人に一人が受診していることになります。そして、その50〜60%が離島を含む沖縄全地域の医療施設からの紹介患者さんです。病棟600床の平均稼働率は、90〜92%となっています。

 近時、医療の現場に向けられる社会の目には、ますます厳しいものがあります。当院では約900名の医療スタッフが24時間体制で対応しておりますが、いろいろと至らないところがあり、ご不満に思われるところが多々あろうかと存じます。皆様方からのご指摘を謙虚に受け止め、よりよい医療サービスが提供できるように努力しております。 よろしくご理解とご協力をいただきますようお願いいたします。

(病院長 金澤浩二)


新教授ご紹介

 本年8月16日付けで第三内科に着任しました。専門は高血圧ですが、循環器疾患、腎臓病についても診療いたします。実は琉大は今回が初めてではなく、昭和63年4月から平成7年6月まで同じ第三内科の助教授として勤務させていただいていましたので、第二の故郷に戻った感じがします。

 平成7年7月からは、大阪にある国立循環器病センターの高血圧腎臓部門の部長を務めて、臨床経験を豊富にするとともに、全国的な規模での臨床研究や学会活動を盛り立てることができました。これらの経験をさらに発展させて、皆様のお役にたてることを願っています。

 50歳以上の人では半分以上の方が高血圧(上の血圧が140以上か下が90以上)ですが、高血圧を治療せずに放置すると、脳卒中、心不全、狭心症、心筋梗塞や腎不全が起こりやすくなります。血圧が高くても自覚症状はありませんが、次第に血管や心臓がやられて脳卒中などが起こるのです。起こってからでは遅すぎます。我々の調査の結果 では、沖縄での脳卒中や心筋梗塞が起こる危険性は本土より低いことはありません。長期的に血圧を下げることによって、これらの疾患にかかる危険性を減らすことができます。ですから、血圧が高いことがわかった場合はそのままにせず、近所の先生か当方までご相談いただきたいと思います。皆様と力を合わせることによって、これらの疾患を減らすことができるのです。ともに頑張りましょう。今後とも宜しくお願い申し上げます。

(第三内科 瀧下修一)  




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