沖縄サミット医療対策を振り返って、そして皆様へのお礼をこめて
沖縄サミット会議も何事もなく終わり、ほっとしている今頃であります。関係された皆様に厚くお礼申し上げます。振り返ってみますと、琉球大学医学部及び附属病院に厚生省、文部省、外務省から、VIPを中心としての医療対策に万全をつくしてほしいと依頼されましてから約1年間の準備でした。
当時は、救急部はどのように対応すべきか、少ない救急部員だけでは不可能で、どのように医学部及び附属病院の全職員の方々から御協力をいただくか、頭を悩ましましたし、気の休まる日もありませんでした。当時の小椋附属病院長を委員長、救急部長を副委員長とするサミット医療対策委員会が直ちに設立されました。具体的な作業策定を練る作業部会を作っていただき、それから色々体制作りへと話が進みました。救急部に武田多一助教授(副部長)が獨協医大より本年1月に赴任され、作業がよりスムーズになりました。
作業部会としては、救急傷病・疾患、それに対応する専門診療科及びその総括責任者や診療責任者そして支援医師、その連絡場所、方法等を各診療部科長に提出していただき、大まかなリストが完成してから、看護部、事務部の方々にサミット医療対策に加わっていただき、シミュレーションを何回か行ってサミット開催にそなえるという作業日程を考えました。
金澤新附属病院長となられて、今年5月頃には、厚生省の沖縄サミット医療対策も具体的になり、琉球大学医学部にはサミット時のVIPに対する医療対応(特にヘリコプターで搬送される)と、外務省管轄の名護のプレスセンター内に設けられた救護室の役割分担をいただきました。
附属病院での対応は7月20日午後から23日までの間を重点的に、しかも、常時待機するように依頼され、その診療科は心臓血管外科、脳外科、整形外科、循環器内科の4科でありました。しかし、緊急対応、入院、検査、手術等を考えますと、救急部、麻酔科、手術部、集中治療部、輸血部、検査部、放射線部、看護部、そして周辺の環境整備等、事務部の方々にも万全の体制をとっていただくようにお願いしました。また、それ以外の診療科の先生方にも診療の支援をしていただけるように担当日、時間、人員を確保していただくようにお願いしました。結局は医学部や附属病院の全職員の方々に、それぞれの持ち場で円滑に業務を遂行していただくようにお願いした次第です。附属病院でのシミュレーションも3回程行いました。武田救急副部長のかなり詳細な、具体的な事例をモデルに、各担当者にそれぞれの持ち場で考えていただき、各自に問題意識をもっていただきました。
|