平成12年9月20日

     University Hospital University of the Ryukyus          

琉大病院 HOTLINE 第10号

琉球大学医学部附属病院の患者様・職員のための情報誌



九州・沖縄サミット医療対応を終わって

  九州・沖縄サミットの首脳会合は、去る7月21〜23日、名護市万国津梁館を主会場に開催され、無事に終了しました。

  これに伴う医療面の対応は、国(厚生省、外務省)の主導のもとに行われました。当附属病院は、各国要人救急医療対応施設、そして名護市プレスセンター内診療所対応施設としての役割を担当しました。前者につきましては、ヘリポートの設置、特別 病室の整備、救急医療の24時間体制など全職員あげての対応を展開しました。幸いにして、要人関係の救急患者は発生しませんでした。一方、プレスセンター内診療所には、延べ140名余の受診者があり、それぞれに大過無く対応しました。

 期間中、当院受診ないし入院患者のみなさんにはいろいろとご迷惑をおかけしたところがあったかと存じます。

 お陰様にて、みなさんのご理解とご協力を得て、無事に与えられた役割を果 たすことができました。篤くお礼を申し上げます。

 当附属病院は国の施設でありますが、沖縄のひとびとの健康維持のために寄与するという重大な使命をも帯びております。

 今後とも、一層みなさんに親しまれる病院になれるよう努力いたします。

(付属病院長 金澤浩二)




沖縄サミット医療対策を振り返って、そして皆様へのお礼をこめて

 
  沖縄サミット会議も何事もなく終わり、ほっとしている今頃であります。関係された皆様に厚くお礼申し上げます。振り返ってみますと、琉球大学医学部及び附属病院に厚生省、文部省、外務省から、VIPを中心としての医療対策に万全をつくしてほしいと依頼されましてから約1年間の準備でした。

 当時は、救急部はどのように対応すべきか、少ない救急部員だけでは不可能で、どのように医学部及び附属病院の全職員の方々から御協力をいただくか、頭を悩ましましたし、気の休まる日もありませんでした。当時の小椋附属病院長を委員長、救急部長を副委員長とするサミット医療対策委員会が直ちに設立されました。具体的な作業策定を練る作業部会を作っていただき、それから色々体制作りへと話が進みました。救急部に武田多一助教授(副部長)が獨協医大より本年1月に赴任され、作業がよりスムーズになりました。

 作業部会としては、救急傷病・疾患、それに対応する専門診療科及びその総括責任者や診療責任者そして支援医師、その連絡場所、方法等を各診療部科長に提出していただき、大まかなリストが完成してから、看護部、事務部の方々にサミット医療対策に加わっていただき、シミュレーションを何回か行ってサミット開催にそなえるという作業日程を考えました。

 金澤新附属病院長となられて、今年5月頃には、厚生省の沖縄サミット医療対策も具体的になり、琉球大学医学部にはサミット時のVIPに対する医療対応(特にヘリコプターで搬送される)と、外務省管轄の名護のプレスセンター内に設けられた救護室の役割分担をいただきました。

 附属病院での対応は7月20日午後から23日までの間を重点的に、しかも、常時待機するように依頼され、その診療科は心臓血管外科、脳外科、整形外科、循環器内科の4科でありました。しかし、緊急対応、入院、検査、手術等を考えますと、救急部、麻酔科、手術部、集中治療部、輸血部、検査部、放射線部、看護部、そして周辺の環境整備等、事務部の方々にも万全の体制をとっていただくようにお願いしました。また、それ以外の診療科の先生方にも診療の支援をしていただけるように担当日、時間、人員を確保していただくようにお願いしました。結局は医学部や附属病院の全職員の方々に、それぞれの持ち場で円滑に業務を遂行していただくようにお願いした次第です。附属病院でのシミュレーションも3回程行いました。武田救急副部長のかなり詳細な、具体的な事例をモデルに、各担当者にそれぞれの持ち場で考えていただき、各自に問題意識をもっていただきました。




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