新教授ご紹介

 平成12年4月1日付けで、熊本大学医学部から琉球大学医学部麻酔科学講座に赴任しました。沖縄に来て、丁度一ヶ月になりますが、晴れた日は数日で、私が思っていた沖縄の暑い日差しとは大分違っていて、思っていたより涼しいというのが印象です。暑さはこれからでしょうから、少し甘い考えかもしれません。

 この一ヶ月、沖縄の自然、歴史、文化のすばらしさに感銘を受けています。特に、壷屋焼き、紅型や琉球舞踊などの琉球文化や伝統芸能には、感動するばかりです。これから、どんな沖縄に出会えるか楽しみです。

 ところで、皆さんは麻酔科についてどれくらいご存じでしょうか。「手術をする時、眠らせる科」と思っている人が多いと思います。麻酔科は、それだけでなく、手術中の痛みを除き、呼吸、循環など患者さんの全身管理をして、命を守っています。皆さんに「安全に、痛みのない、安心して手術が受けられるような麻酔」を提供したいと考えています。

 その他、麻酔科外来では、神経痛、頭痛や帯状疱疹などの痛みの治療(ペインクリニックともいいますが)はもちろん、痛みで苦しんでいる患者さんの苦痛を和らげる緩和ケアなどにも深く携わっています。

 麻酔について不安を持っている人は、一度麻酔科外来を訪ねてみてください。

(麻酔科 須加原一博)

新教授ご紹介

 初めまして、4月1日付で琉球大学医学部整形外科学講座教授を拝命しました金谷文則と申します。昭和28年群馬県に生まれ、昭和47年埼玉県立熊谷高校を卒業し、同年新潟大学医学部に入学しました。昭和47年から3年間、アルバイトをして旅行資金を貯めて夏休みごとに船に乗って沖縄に来ては、終日ビーチにいたことを覚えています。沖縄の海の美しさが忘れられず、新婚旅行も沖縄にしましたが、その時は背中に広範な2度の日焼けをおこしてしまい、しばらく仰向けに寝られず難儀をしました。

 昭和53年に新潟大学医学部を卒業後、最初の2年間は救急救命センターで研修し、その後は東北、北陸、関東の病院で整形外科の研修を受け、昭和59年には整形外科の中でも上肢を専門とする”手の外科”を専攻しました。

 昭和62年から約3年間ケンタッキー州ルイヴィル市のハンドセンターで1mm以下の血管を縫い合わせる微小外科(マイクロサージャリー)の研修と切断された神経の機能回復について研究し、帰国後、平成2年から琉球大学整形外科に勤務しています。

 マイクロサージャリーは切断された手足や指の血管を吻合することにより、手足を付け直すために開発された技術ですが、最近では本法を応用して体の一部を他の場所に移す自家組織移植も行うことができます。けがで母指を無くすとほとんどの作業が困難になりますが、マイクロサージャリーを用いて母趾を部分的に手に移植することにより、外観ばかりでなく機能も正常な母指を再建することができます。

 教授就任にあたり、沖縄県内の整形外科の知識や技術の向上に努め、沖縄を含めた日本の整形外科の治療成績の向上に貢献したいと思っております。 将来は、多少SF的になりますが最先端の遺伝子工学などを発展させて手術をすることなく関節軟骨や切断肢を再建できるようになれば良いと思っております(トカゲの尻尾を切っても再生するのを想像してもらえばわかると思います)。

(整形外科 金谷文則)




  前のページ(No.8 p.1)
  次のページ(No.8 p.3)


  琉大病院HOTLINE目次


ホームページに戻る