平成10年12月15日

     University of the Ryukyus University Hospital          

琉大病院 HOTLINE 第2号

琉球大学医学部附属病院の患者様・職員のための情報誌



琉大病院の国際医学・医療協力

 琉大医学部・附属病院は、南に開かれた国際性豊かな医学部・附属病院として発展させ、東南アジアを主とする諸外国との学術交流及び保健・医療協力に寄与することを基本理念のひとつとしています。

 平成10年11月1日現在、当医学部・附属病院には16か国から35人の外国人留学生が在籍し研究を行っています。成果をあげられることはもとより、ここで学んだことを帰国後に生かしていただき、さらには、琉大との交流を継続してほしいものです。

 沖縄・アジア医学研究センター(岩政輝男センター長)がスタートしました。感染免疫、分子生物、環境疫学の3研究分野があり、明年から本格的な研究が開始される予定です。

 国際協力事業団(JICA)のラオス国での公衆衛生プロジェクトには、歴代の医学部長を中心に、主として基礎医学系の教官が積極的に協力し、その結果は高く評価されました。保健医学講座の小川寿美子先生は、ラオス国のヌーハック大統領から功労章勲三等を受勲され、このことは新聞等で報道されました。 

 公衆衛生プロジェクトの成功もあって、次には首都ビエンチャン市の市立セタティラート病院改善プロジェクトが始まります。このプロジェクトは5年から10年間にわたる大型プロジェクトで柊山医学部長を中心に当医学部が、技術移転などの面で全面的に協力することになりました。

 去る11月、さらに外国から泌尿器科専門医6人がJICAのプロジェクトとして、タイ国のチェンマイ大学病院などのナース4人が琉球アジア太平洋医学交流協会、郵政省ボランティア貯金の支援を受けて、いずれも当院を中心に研修をしました。JICAによる専門医の研修プロジェクトにつきましては、眼科・皮膚科などを含めて受け入れ希望講座がありましたら御知らせ下さい。JICA側は支援して下さるそうです。

 
 沖縄県内には、先ほど述べました外国人留学生をはじめ多くの外国人が居住しています。外国人患者の場合、言葉・風俗・習慣などが異なるため、十分な医療を提供できない場合があります。県内唯一の特定機能病院、県内の中核病院として、外国人患者に対しても治療者が納得し患者様に満足していただける医療が行えるようになりたいものです。

 政府、沖縄県、沖縄県医師会、当医学部などが構成メンバーとなっている「沖縄県の国際医療協力に関する検討委員会」があり、この件について各種の検討がなされています。当医学部・附属病院も他の関係諸機関と緊密な連携のもとに役割を果たしたいと考えています。国際医学・医療・保健協力は、何かと困難を伴ないやすいと思いますが、沖縄県の地理的状況、当学部・附属病院の設立理念、置かれている状況などを考慮しますと、避けて通れないことであり、新しい世紀を前にした今、むしろ積極的に取り込むべきでありましょう。



病院長  小椋 力  


医 学 部 附 属 病 院




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