琉大病院「災害対策マニュアル」発行

 標記マニュアルが、平成10年10月の病院運営委員会で承認されました。現在、印刷中であり、近々、皆様のお手元に届く予定です。本マニュアルの『はじめに』の項で書かれている病院長の原稿を以下に紹介いたします。災害の発生がないことを祈りますが、発生時に被害を最小限に止めたいものです。

はじめに
 病院の管理運営でもっとも重要なことは、災害から利用者である患者・家族、学生、教職員の安全と生命、そして国の財産である施設、医療設備等を守ることです。そのほか当院は、地域の中核病院としての役割を担っていますので、災害時に患者が多数本院に来院する可能性、院外への医療救護等の支援の必要性があり、これらに対する対応も欠かせません。

 本マニュアルは、本院の所在する西原町ならびに近隣地区で発生し、あるいは発生が予想される災害・事故などが取り上げられています。地震災害、広域にわたる大火災、爆発、化学物質などによる事故・破壊行為などについて具体的な諸対応が図表を用いて示されています。全職員ならびに関係者が、本マニュアルを十分に理解され、災害発生時に的確、かつ迅速に対応され、被害を最小限に留めるよう努力されることを期待しています。

 消防訓練は定期的に実施され、院内にほぼ定着していると思われます。消防訓練は、防火管理の徹底と災害の拡大の防止、防火思想の普及を図るうえで貢献しているでしょう。しかし防災訓練は、阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件などから理解できますように容易ではありません。しかし本災害マニュアルに沿った『災害対策シミュレーション』の実施が必要です。シミュレーションを通して本マニュアル作成の価値が一段と高まるとともに、不十分な部分を補うことができ、より完成度の高いマニュアルに改訂できると考えられます。

 災害が発生しないことを祈ります。しかし『天災は忘れたころにやって来る』といいますので、『備えあれば憂いなし』にいたしましょう。

 発刊にあたり、本マニュアルの作成に携わった関係各位に衷心より感謝の意を表します。

平成10年10月

                                     琉球大学医学部附属病院長


災害対策マニュアル

平成10年10月

琉球大学医学部附属病院

●● 安全で誇れる職場づくり ●●

毒物混入事件の予防

 先月下旬、文部省の研究機関である『岡崎国立共同研究機関』で、アジ化ナトリウムが混入したポットの湯を飲んだ4人が異常を訴えた事件が発生しました。そのほか三重大学、国立宇多野病院などでも同様の事件が起こっています。毒物の厳重な管理が欠かせないことはもちろんのこと、不審な外来者に対する警戒も必要です。そのためにはネームバッジの着用、できれば写真入りのIDカードが早く利用できることが望まれます。そして職場での対人関係における葛藤が犯行の原因となることも十分に考えられます。安心して業務に専念できそして誇りを持って働ける職場環境を目指しましょう。

                                              編集子


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